昨日ミュージカル「ひめゆり」
千秋楽を終え、
無事全公演が終了しました。
最後のステージは、
満員御礼のオールスタンディングオベーション。
お客さん自身が熱くなっているのを感じ、
とても体が熱くなり感覚を感じました。
一昨年、
プロ初舞台として、
ミュージカル「ひめゆり」サチの夫で、
デビューしたのですが、
その頃から、
教員経験を生かし、
「神谷先生」をやりたいと願っていたのですが、
こんなにも早くやらせていただけるとは思ってもいませんでした。
それと同時に
今までたくさんの大先輩方が演じてきた
この神谷先生を演じることに、
いろんな責任を感じたのも確かです。
果たして、
その先輩方の伝統を引き継ぐ
「神谷先生」をやれたのかは僕には分かりませんが、
全神経を尽くして「神谷先生」を全うさせていただきました。
まさかこんなことをしてくれてるとは思わなかったので、
ものすごく嬉しく、ありがたく、感動しました。
夢を見ましょうのシーンでは、
「はる」の代わりに私がここではリーダーになってると思ってる。
そう言っていた美穂ちゃん。その通りだったよ!
美穂ちゃんこんなにしっかり者だけどまだ大学生で、学徒の中でも若い方。すばらしいです。
「先生になりたい」は泣きます。泣かないはずないですよ。
「先生死にましょう」からの「先生になりたい」
が、どんなに神谷先生にとって責任を感じた言葉だったか。
それぐらい学徒たちは先生の教えに対して真っ直ぐだったんです。
「のぶ」役の村上恵美ちゃん。見た目は幼いけども、年齢は学徒の中でもお姉ちゃん。
何度もミュージカル座で会っていたけども共演は初めて。なんて言うのかなー。不器用さがまたいいよね。M30人を殺せと では「死にましょう」ってこの子だけ笑顔で言うんです。その中にある気持ちを思うと切ないよね。この言葉をどうやって言うかたくさん考えたことがすごく伝わって、顔を直視できませんでした。
今回初舞台。って打ち上げで初めて知ったほどしっかり者。
「死にましょう」ってセリフしかないけども、歌とっても上手なのです。
この子の芝居ほんと素敵。いやみんな素敵なんだけどね。顔に滲み出る感情が素敵なんです。入り込んで泣きすぎてたこともあったけど、俺はそれが真実だと思うし、それぐらい役を追求したと言うことで、本当に素晴らしいなと心から尊敬しました。
「ちえ」役の紺野悟子ちゃん。(写真1番右)
M30の「先生!!」の一撃必殺のダメージ大。
あれがあるから次の一言「人を殺せと」が出るなと納得できる台詞。
メガネかけた真面目な子が、心の中で「私たちは覚悟できてるんです!決めてください!!!」とはっきり伝わる言葉で「先生!!」と言うわけです。ほんと演技派。
最初の学徒の犠牲者。
最初は自分の普段の活動の姿を捨てきれない感じがあったのだけど、後半ググッと舞台に身を投じてきて、完全に「ちよ」になりきっていました。さすがです。これには脱帽。これ結構勇気のいることだと思うんです。でもそれがあったからこそ、みんなも「ひめゆり」にのめり込めたんだとと思う。
名前のインパクト大(笑)この方もかなりの演技派。陸軍病院で脳症患者の面倒を見るのですが、
病院に入った最初は嫌すぎて勝手に涙が出たと言うのです。それをみて「この方も兵士として国に尽くしてくれてる方なんだ、心を込めれば通じるから。頑張れるな!」って言ったら、コクッと頷いて一生懸命脳症患者の面倒見て、次見たら嬉しそうに看病してるんです。演技なんだけども、あれは素直に感動したなー。
打ち上げまで一人一人ちゃんと話そうと思って、呼んだら、「チャラい!」って言われましたwひどい😢普段はそんな人です(笑)つまりノリが良いのです。チャラくて悪かったな!!!!w
この方も実は元教員。先生目線でも生徒を演じられたんじゃないかと思う。M30での辛い表情とか、陸軍病院で一生懸命働く姿が素敵。
絡みこそ少ないけども、でも絡みある方か!(笑)何度もちゃんと私のこと分かってますかと言われました(笑)いますそう言う生徒、います
(笑)
長くなると投稿できなくなっちゃうんで、
続きはまた分けて投稿します!
そして、
今回、
プリンシパルと教頭を除く、
男子の中では最年長でして、
初舞台の子もいる中、
どうやって自分の経験した中での、
舞台というものを伝えて行くかということも、
自分の課題でありました。
基本的には、
自分に関わらないことにはドライである性格ゆえ、
あまり人には干渉しないのですが、
僕自身いろんな先輩方に、
今までたくさん叱咤激励され、
成長させてもらってきた身でして、
やはり、そのお礼を返す意味でも
最年長である限り、
自分がしっかり伝えていかないといけないなと、
まだ未熟ものであるのですが、
想いは伝わると信じて、
時に厳しく言ったりもしました。
その子には伝えたのですが、
自分も同じことを言われてきて、
みんな同じ道を通る。
最初は何もできなくて、
陰口言われたり、怒られたり、見捨てられたりして、
萎縮しそうになったりする。
でもそこで負けてては、
この世界では生きていけない。
二度と同じ間違いはしないと心に決めて、
悔しがって、
自分のミスはしっかり認めて、
しっかり謝って、
萎縮ではなく謙虚に、
弱気にならず強気で、
自分のことよりまず周りのことを考えて、
少しずつ学んでいけばいい。
そう思って、
伝えられることは伝えようと
役目を果たせていたかはわからないけど、
努めました。
そう言う意味でもとても貴重な経験をさせていただいた公演でした。
僕もまだまだ舞台の世界では若手で、
これからも学ぶことばかり。
自分のスキルを上げつつ、
そう言ったこともたくさん学んでいきたいと思っております。
上原婦長役の木村花代さん。
花代さんに
「平山くんは不器用だもんね。でも着実に積み上げてきてしっかり本番に持ってくる人。平山くんが袖の中でもしっかりと役に入り込んでやってくれるから、みんなも入り込めたと思うよ。私も不器用だから、不器用同士これからも頑張ろうね。」
とお言葉を。
とてもありがたく励みになります。
実は花代さんとは3回目の共演。
僕自身人間関係とかも作り上げるのも不器用で、
そのおかげか(笑)僕の周りにいてくれる人は、
本当に親切で優しい人たちばかりなんです。
「不器用が努力するから感動するんだ」
そんなことを言った方もいらっしゃいます。
不器用は突然器用になったりしないから、
一生努力するしかないです。
もうそこは諦めてます(笑)
その苦しさを楽しいと感じるしかない!
いいんですそれで^_^
それが望んだ道だから。
いつかきっと花咲く時が来ると信じるんです。
花代さんの婦長さんは
一昨年共演した時とはまた違って、
夢見で号泣しながら歌う姿は、
心に沁みました。
すごく愛のある婦長さんで本当に素敵です。
陸軍病院で、兵士に安心を与え、慕われた目で見られる婦長さんに憧れ、
いよいよ逃げ切れないという時に、
自分にはどうしたらこの子たちを笑顔にできるか
考えられなかったのに、
いとも簡単に笑顔にしてしまった婦長。
子ども達を託すならこの人しかいない。
心からそう思えました。
いや、神谷先生は僕そのものです。
教員時代僕は子どもを笑顔にしたいのに、
怒っている自分に気づいた時、
笑顔にできなくて子どもの前で、
「俺はみんなのことが本当に大切なんだ。
大好きなんだ。だから怒らなきゃいけないのが辛い」
と子どもの前で大泣きしてしまった時があった。
子どもを叱るたびに、職員室でものすごく反省して、
俺は怒る先生にはなりたくない。
そんなことを毎日思っていた。
そんな先生最後の日に、
生徒たちが黒板に「平山先生ありがとう!!」
と大きく書いて、一人一人小さくメッセージを書いてくれた。
そして手紙をたくさんくれて、
「また平山先生のクラスが良い。
先生は世界一恐くて、世界一やさしい先生だと
始業式の時言ってたけど、
本当に怒ると怖いけど、でも世界一やさしい先生です。」
と。
泣きました。
神谷先生を見るとそれを鮮明に思い出すんです。
今年の学徒たちを見ていて、
やっぱり生徒たちを思い出す。
こんなに幸せな舞台はこれから先もないかもしれません。
俳優になってまで、
また先生をやらせてもらえるなんて、
最高の幸せです。
話は逸れましたが、
実は、
共演3回目にして
これが花代さんとの初の絡みです。
トラブルショーでもニアミスで絡んでないのです。
俺より5歳も年下。
に見えますか?(笑)
同い年か俺が年下ぐらいにしか見えん!(笑)
全くそんなそぶりを見せないけど、
確実にストイック。
じゃなきゃあんな歌は歌えないというほど、
素敵な歌と演技。
時に談笑したりして、とても有意義な時間を一緒に過ごしました。
中井さん僕の2歳年上。
兵士の上司として、
一緒に戦場へ行きました。
中井さんはとてもまっすぐで真面目な素敵な方。
中井さんもやはりストイック。
兵士ダンスの練習に毎日付き合ってくださり、
アドバイスの共有。
男たちがまとまったのは、
中井さんの力もかなり大きかったです。
あのですね、
中井さんも龍ちゃんも、
どうして??どうしてこんなに大人なんですか。
(俺が若く見えすぎるのか?(笑))
今回この2人を見て、
俺真面目に体大きくしようと思いました。
これ本当に。
「ふみ」役の河西智美ちゃん。
上下同じ色のスウェットを着て、大人しくコツコツと稽古に励み、
クールかと思いきや、とても繊細な温かい演技で、
後ろを向いていてお客さんには誰にもわからない演技をそれでもしっかりと役として生きる姿。
しっかり目に焼き付いていて、僕自身もこの姿勢をしっかり学ばなければと思いました。
袖でステージの演技見ながら泣いたりしてて、
本当に愛のある方です。
しょーこお姉さんこと、「キミ」役のはいだしょうこさん。
そう、花代さんも小野田くんも、しょうこさんも、
一昨年のひめゆりに続く2回目の共演なんです。
はいだしょうこさんはね、
お茶目でテレビのまんまで、素敵な方なのです。
とにかくはいださんの歌が好きで、
本当に綺麗な声。
「生きている」は、本当に心が洗われます。
また本当に共演したいです。
多くの方にお世話になり、
俳優だけでなく、
音響照明舞台部、制作などたくさんの
スタッフの方に支えられた本番でした。
大きな事故もなく、
お客さんの反応もとても良い、
思い出深い作品となりました。
また神谷先生で、
出演したい。
むしろ毎年出たい公演になりました。
ご観劇、そして多くの感想をいただきありがとうございました!
これからも一つ一つ与えられたものに、
力を尽くしてやってまいりますので、
どうぞよろしくお願いします。
平山 透